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イベント報告:研究者交流会第2部: つくばではじめる「知」の創発と促発 ~基盤研究から大型研究へ~(2026年3月23日)Researcher Networking Event: Sparking and Accelerating the Creation of Knowledge in Tsukuba From Fundamental Research to Large-Scale Projects (March 23, 2026)

研究者のみなさまにおかれましては、科研費公募開始の通知をご確認されたことと思います。本ページでは以下日時で開催した「研究者交流会: つくばではじめる「知」の創発と促発 ~基盤研究から大型研究へ」の第2部ネットワーキングセッションのイベントをご紹介いたします。この度学内限定で公開いたしますので、科研費申請書作成におけるTipsや共同研究を始めるきっかけ等の参考にをご活用ください。

 

 

【開催日時・場所】

日時:2026年3月23日(月)14:00開始

場所:筑波大学総合A棟 110 公開会議室(予定)
対象:つくば地区に所在する研究機関に在籍する研究者(博士学生含む)および研究支援者 

 


■ 第2部 ネットワーキング(15:30–17:00)

第2部では、研究者同士の対話を通じて学際的連携の共同研究の実態を明らかにする議論が実施されました。研究費獲得のプロセスだけでなく、研究の着想、共同研究の成立条件、AI 時代の申請スタイルなど、研究推進に関わる幅広い論点が、参加者との活発な質疑を交えながら多角的に語られました。

 

■研究の積み上げが道を拓く ― 川崎先生(システム情報系)ショートプレゼン

まず、システム情報系の川崎先生から、これまでの研究活動の歩みと基盤A採択に至るまでの経緯が紹介されました。専門は認知脳科学・認知心理学であり、脳波計測を用いて人の認知、運動、気分状態を捉える研究を実施してきています。特に人と人との「リズム同期現象」に焦点を当て、アイコンタクトやうなずきなど、コミュニケーションが円滑に進む際に生じる同期のメカニズムを解明する研究をしています。研究生活の初期から応用研究ともつながる“中間領域”に身を置き、基礎と応用の双方を橋渡しする形で研究を展開してきました。

川崎先生は、キャリアの早い段階の若手の頃に新学術領域研究などに参画し、ベテラン研究者と議論する機会を得られたこと、学会参加時に声をかけてくれる人が増えたことが、今日のネットワーク形成につながっていると振り返りました。若手時代に“専門家たちとの議論の場に身を置いたことが、長期的には大型研究へつながることになったと述べられました。

科研費の申請に関しては、基盤Bには複数回挑戦したが、当初は「隙間を狙ったテーマ」を提出し、結果として不採択が続き「自分の研究に合っていなかった」と率直に振り返りました。その後戦略を見直し、“原点に戻り”長年積み重ねてきた中心テーマをそのまま提示し、より適した基盤Aへ切り替えて申請したところ採択されと話していました。区分選択について、川崎先生は「研究規模と目的に合った枠を選ぶことが重要で、BとAで難易度が線形に上がるわけではない」と語り、研究内容と申請区分の適合性が最も重要であることを強調しました。

基盤Aの共同研究のきっかけは、URA栗原氏が企画した「第六感の共有世界」というワークショップで、善甫先生や合原先生との対話を通じて研究の価値観を共有できたことが、基盤Aのチーム形成に寄与したと言います。「良い研究とは何か」という根本的な価値観が一致していたため、共同研究のイメージが自然に形作られました。

最後に、川崎先生は研究費獲得に向けた姿勢として「何のために研究費を得たいのか」という目的意識の共有が重要であると述べました。獲得そのものが目的ではなく、研究者同士が方向性を理解し合いながら進めるための手段であることを改めて強調し、その姿勢が、長期的な協働や大型研究への発展を支えているとまとめました。

 

 

 

 

■質疑応答:

区分選択の考え方と“価値観共有”の具体性 

参加者から「基盤Bも基盤Aと同じくらい難しい」と感じることもあると自身の経験を述べられて、若手Aから基盤Bに出そうとしたところ落ちた。一方、基盤Aに切り替えたところ採択されたことが紹介されました。この意見を受けて川崎先生も同意し、ご自身の経験の他、共同研究者の事例も踏まえて、研究種目は基盤Aと基盤Bのレベルの上下はなく、「研究の規模や必要性から判断するもの」という認識が共有されました。 

共同研究者との価値観の共有

大型研究の計画・実施において重要なテーマであり、登壇者の多くが深い関心を示しました。川崎先生は「論文として最後まで成果を仕上げる姿勢を共有できる人と組みたい」と述べ、成果まで導く“フィニッシュ力”が共同研究の成立において欠かせないと語りました。佐々木先生は、1年以上協働すればその研究者がどの程度の実効性を持って動くのかが自然とわかると述べ、単に名前を連ねるだけで実質的に動かない研究者は避けると説明しました。また涌水先生は、議論のテンポや研究に向ける熱量といった相性を重視する姿勢を示し、人間的な調和の重要性を強調しました。 

 

 

■パネリストによるクロストーク

申請書とAI

善甫先生から、「申請書をどの程度 AI に任せているか」という問いかけがありました。善甫先生はAI推進派であり、構成部分からAIと一緒に申請書を作り上げていきました。善甫先生は普段から論文を音声認識で読んだりAIと会話し物事の理解度を上げているとのことです。この質問をきっかけに、研究者ごとのスタイルの違いが明確に浮かび上がりました。佐々木先生はほとんど AI を使わず、「申請書はほぼ手打ちで作成し、過去の審査員名簿を読み込ませ、審査員ならどのようにコメントするかを出力させたこともある」と語ります。涌水先生、「2021年の申請書は手打ちで書いた」という、川崎先生は「自分の文章の“人間らしさ”が好きで、AI 文章にはどこか味気なさがある」と述べ、共同研究者が AI で書いた文章についても、自身の視点で読み直して調整することがあると言います。こうしたやり取りを通じ、申請書における AI の役割はあくまで「補助」であり、文章の芯となる部分や研究者としての言葉は依然として人が担っていることが確認されAI の浸透によって文章表現の均質化が進む一方で、申請書の評価では「研究者がこれまで積み上げてきた内容」「実行可能性」「研究への姿勢」といった部分がより重要性を増すという共通理解が形成されました。

AI時代における申請書の差別化

善甫先生は、「AI が文章をいくらでも生成できる時代に、どこで差が付くのだろうか」と疑問を投げかけました。これに対して複数のパネリストが、「最終的には研究の“実績”が差になる」と応じています。 

申請書は AI によって表面的には洗練できても、研究の蓄積や成果の裏付けは AI では作れず。特に若手研究者については、従来以上に“積み重ねた実績”の重要度が上がる可能性があるとの意見が共有されました。 さらに、申請書は一時的な書面の美しさだけではなく、「プロジェクトを 3〜4 年間、確実に進めていく実現可能性」が評価されるべきだという意見がありました。AI が生成した文章が魅力的であっても、その研究計画を実行し論文化まで到達させる力は、研究者自身が持っていなければならないという指摘です。

研究チームのマネジメント:大型研究を動かすために必要なこと

学術変革(B)の 代表者 を務めた善甫先生は、大型研究の成功には“自律的なチームや組織”が不可欠であると語ります。自身の経験として、研究者が「放っておいても進められる領域」をそれぞれが持ち寄れる状態でないと、全体として研究が前に進まないと述べました。大規模プロジェクトでは、代表者がすべてを管理することは不可能であり、個々の研究者が専門領域の責任を持って進める“組織設計”が重要だという。涌水先生も、基盤Aへ移行する際の実務経験を踏まえ、共同研究者の選定には「業績」「これまでの協働関係」「アウトプットの確実性」を重視したと述べた。過去に協働した研究者に再度声をかけるだけでなく、初めて依頼する研究者についても業績を丁寧に確認し、共に進める理由を説明して依頼していると語りました。 

川崎先生からは大学における良い文章の指標への矛盾が指摘されました。博士課程までは良い研究をし論文を書くことに重きを置かれ、博士取得後の職業研究者となると、面白いアイデアから良い文章で申請書を書き、予算を取ってくることを求められることです。この2つの隔たりは大きく、それらに直面する若手研究者に対して、教員である研究者が学会等の出会い通じ良いチームを形成し、学会発表等で周りをインスパイアできる発表をし、新たなアイデアをもたらすような良い循環を示すことで、その隔たりを埋められると良いと思われます。 新しいことが生みだすために、これまで研究者自身が積み上げてきたものから、新しいものをさらに積み上げることが大事であると述べました。

“ゴールの共有”がもたらすチームの強さ

事前質問でも関心が高かったのが「共同研究において、どのようにゴール(目的意識)を共有するか」という点です。これについて川崎先生は、プロジェクトの初期段階で「代表者がビジョンを提示し、それに共感できる研究者が残っていく」と説明しました。急ピッチで計画書をまとめる場面では、とくに価値観が一致しない研究者と無理に協働することは難しく、「1対1で相手の研究がこの計画にどのように貢献できるかを確認する」プロセスが重要なのかもしれません。 

特に学際的な大型研究では「専門性 × 実行力 × 信頼関係が求められ、専門領域の違いにより作業スピードや研究文化の違いが顕著になるため、計画段階でのすり合わせが重要となると考えられます。ここまでの議論では、チーム形成は“専門性の違い”だけではなく、“研究者同士の価値観のすり合わせ”が重要なことが明らかになりました。単なる役割分担ではなく、目指す方向性に対する共感部分がなければ、長期間の共同研究は成立しないという認識が共有されました 

 

 

 

■融合研究のハブ人材の役割と難しさー 江崎先生 (筑波大学附属病院 整形外科)

次にフロアからの話題提供者として、「整形外科医として大学病院で働きながら、研究と芸術活動も実施する」江崎先生が登壇しました。江崎先生は、工学システム学群から中国の医学課程へ進学し、帰国時に医師免許取得というユニークな経歴を持ちます。特に、筑波大学のヒューマニクス学位プログラム(ダブルメンター制)で二つの異なる研究室に所属する環境が整い、医工連携研究への道を切り開き、リハビリテーションロボットの研究、脊髄症患者の歩行解析、スマホ撮影動画による AI 解析など、工学技術と医療の両面に触れながら研究を実施しました。

研究活動の幅は身体や医療データに着想を得た芸術表現活動にも広がり、善甫先生が江崎先生の芸術作品に触れ、「身体データを扱う医療者であり、芸術的視点を持つ人物」として可能性を感じ共同研究が始まりました。そこから臨床医 × 芸術 × 工学の三者が“個人内で交差すること”が進み、「TAION」という作品へとつながりました。TAIONは、参加者の心拍をセンシングし音響フィードバックする装置で、体験者の心拍より20~30%遅いテンポを提示することで、リラックス効果や睡眠障害への応用可能性を探ることが目的です。この作品は採択率9%の難関な国際学会にも採択され、研究成果と芸術表現が重なる事例として高い評価を得ました。江崎先生は「どれか一つの専門では到達できない成果だった」と語り、異分野の尊重と融合が新しい価値を生むことを示す好例となったと述べました。

一方で、整形外科としての本務がある中で、芸術や工学の活動に時間が割かれることで「専門性が分散する」問題があることや、「何が専門なのか」と問われることも多く、キャリアの言語化に難しさがあるとも述べました。これらは多くの学際研究者が抱える共通の課題ともいえます。

 そのうえで善甫先生は、「ハブ人材は制度的に“育成”されるものではなく、偶発的な出会いや、自分の興味に従って動き続ける姿勢によって自然に形成される」と指摘しました。そして、「もし“ハブ人材育成プログラム”という形で制度化されると、むしろ窮屈さを感じるだろう」と述べ、固定化された役割ではなく、個人の探索的な行動を支える環境が重要であると強調しました。

議論はやがて「組織としてこうした人材をどう支えるか」という論点へと展開し、佐々木先生は、教育文脈と研究文脈ではハブ人材の意味が異なると述べ、大学として研究室を越えた交流機会を増やす必要性を指摘しました。また、研究支援担当者からは、複数学位プログラムや学内交流の仕組みが若手の越境経験を支えるという意見も提示されました。

最後に江崎先生からは、「普段関わらない領域に身を置くことで思わぬ気づきが生まれる」との経験が共有され、関係のない外科学会で招待講演を行った際、会場では戸惑いがあったものの、終了後に多くの医師が話しかけてきて交流が生まれたというエピソードは、研究者同士の交流が新しい研究のきっかけを生むことを象徴しています。

 

 

■共同研究者探索者によるショートピッチ (HP公開承諾者 2名のみ本レポートに記載します)

“実際の地表面”で生きる微生物を科学する新たな挑戦 前田先生(生命環境系 応用微生物学) 

前田先生は、培養液中で微生物を育て、その性質や遺伝子発現を分析する手法が中心であった。しかし筑波へ赴任後、「培養液の中ではなく、“地表面で生きる微生物”を研究する必要性」を感じ、研究の転換を図りました。光合成微生物は、培養液中と実際の地表面とでは、与えられる CO₂ や物理的相互作用が大きく異なります。特に、固体表面での環境応答は解析が難しく、物理学・機械工学的アプローチが必要になる場面も多い。前田先生は、「地表面における現象を生物学の言葉へ“翻訳する”必要がある」と述べ、異分野の研究者と協働してこの課題に取り組みたいと話しました。 

高分子化学 × 医療応用への拡張可能性 甲田先生(数理物質系 高分子化学) 

 甲田先生は、重合反応(ポリマー合成)を軸に、人工的な高分子材料の創生に携わり、近年はその知見を活かし、体内に投与された分子をどのように全身へ分布(ディストリビューション)させるか、つまり体内動態を調整する高分子技術の研究へ展開しているという。特にアミノ酸由来の素材を利用し、生体適合性を保ちながら薬物送達(ドラッグデリバリー)へ応用する研究は、医学・薬学領域との協働可能性を大きく広げている。甲田先生は、医療系の研究者から「こういう高分子は作れないか」と相談された例を紹介し、自身の技術が横断的に利用され得ることを強調しました。 

 

 

 

■全体ディスカッション:大型研究に必要な条件とは何か ― 分野差を越えた議論

善甫先生から「カタカナ分野(工学・自然科学)中心の環境にいる自分にとって、漢字で書くような基礎・人文系の研究者は大型共同研究にどう関わっているのか、そのイメージを知りたい」という率直な問いかけでしたこれに応じたのは、人文社会系で古代エジプト語を専門とする、宮川先生で。宮先生は、自身の分野の現状に触れながら、「伝統的な理論研究だけでは大規模な科研費は取りにくくなっている」と率直に述べた。そのうえで、近年は大規模言語モデル(LLM)を活用した言語変化のシミュレーションなど、新しい技術と伝統分野が融合する研究領域が広がっていることから、「協働の幅はむしろ広がっている」と説明しました。  

共同研究者の“相性問題” ― 相性が合わない場合どうするか

続いて質問が出たのは、学際研究で避けて通れないテーマ「相性の合わない共同研究者をどう扱うか」です。善甫先生は、率直に「苦手だと感じたら距離を置くこともある」と答えました。質問者自身は人付き合いの判断に“飲み会での空気感”を参考にすることもあると説明しました。一方で、佐々木先生は「その研究プロジェクトでなくてもつながありが持てるかという点」「1年以上一緒に仕事をすると、その人のアウトプットのスタイルは自然に見えてくる」と述べ、行動や実績を重視した年度スパンでの長期的視点での判断を示しました。本当に初めての場合は「自分のこのピースと他者のこのピースがあわさると、こんな結果が想像される」ことを丁寧に説明してコンタクトを取ることもあると述べました。涌水先生も飲み会以外は佐々木先生の考え方に準ずるという見解を示しました。川崎先生は、先生のテーマである脳波同期のリズムを引き合いに出し、研究者同士の“リズム”に注目する姿勢を示したました。議論のテンポ、研究に向ける熱量、仕事のスピードといった「研究リズム」が合うかどうかで協働が決まると述べ、「名前だけ入りたい人なのか、本気で取り組む人なのかは議論の中で自然に分かる」と語ります。 最後にこの人と一緒に共同研究を実施したら、こういう研究が見えてくるというイメージが出来上がったら共同研究を実施する価値があると考えられる述べました。 

総花的なチームの危険性 ― 核となるテーマの必要性

梅田先生からは「大規模プロジェクトに参加した際、どの研究者も一流であったにもかかわらず、申請書が総花的になり、何をやりたいのか分からなくなってしまった」という経験談が共有された。この問いに対し、善甫先生は、総花的構造の原因として「中心となる核テーマが弱い」ことを挙げた。善甫先生は自身の研究プロジェクトを例に挙げ、「音を用いたPTSD治療」という核があるからこそ、各研究者の技術が具体的に“どう貢献するか”が可視化されていると説明しました。佐々木先生も、大型申請では「掲げるミッションと参加研究者の組成が一致していること」が問われていると強調し、「これは基盤研究の寄せ集めではありません」と審査員に明確に説明できる必然性が重要であると述べました。 さらに、川崎先生は「大型プロジェクトの上層部(重鎮研究者)が非常に楽しそうに議論しているからこそ、全体が前に進んでいるように見えた」と語りました。また指導的立場の教員からのコメントとして、「あの規模の研究は仲が良いメンバーでないと実現できない」という意見も紹介され、学生時代から組んでいるチームや人間関係が研究の推進力となり得ること、そしてそのような信頼関係の積み上げが大型プロジェクトに不可欠であることを改めて示していると思われます。 

専門の軸と多角化とのバランス ― 研究連続性への悩み

第2部の議論の中で「研究の連続性と新規性のバランスをどう取るべきか」という疑問が投げかけられています。研究計画やチーム形成をする際には次の重要であることを議論から認識できました。善甫先生は過去の研究について、ガントチャートの書き方から「これまでの積み上げ」のつながりを示し、それらの各項目が枠の外から出るような書き方を戦略的にし、それらの項目が現在の申請書の項目中のどの箇所につながっていることを示すことの重要性が共有されました。佐々木先生は「若手、基盤Bと基盤Aとも違うテーマで応募した」と話します。申請書の中で一貫性として、科研費の種目ではなく、な資金ですすめてきた研究内容基盤Bのテーマとしてだすという構成を考えていたことを共有しました。涌水先生は「新たに実施するテーマは挑戦的研究の枠で出している」とのべ、川崎先生は、これまで先輩からの気づきとして、既に実績として確固たるテーマとして認識されている人が手を伸ばすので、申請書が採択されていると認識していると述べました。

全体セッションのまとめ 

セッション全体をまとめると「これまでの積み上げ」と「申請期間中の研究内容」「研究終了後のアウトカムとして何を目指すのか」について型らています。一方で、研究の積み上げという連続性は重要ですが、同時に新しいテーマへ挑戦することも必要と認識されます。特に若手研究者時代は自分の分野のノウハウから得た解析で、いくらでも論文が書けるかもしれませんが、同じテーマを続けるだけでは研究の広がりが出ないという経験が、先生方から共有されました。 

 また、全体ディスカッションを通じて見えてきたのは、学際研究および大型研究の成立には、専門性の強み、研究の姿勢、相互信頼、価値観の共有といった、きわめて“人間的な要素”が深く関わっているという点です。議論の最後には、研究マネジメント室から「AIの進展によって研究者がやるべきことが変わりつつある今日、最も価値となるのは“人とのつながり”である」という研究担当副学長からのメッセージも紹介されました。筑波大学における研究活動を今後さらに活性化していくためには、こうした“つながりの場”を継続的に創出し、研究者同士が分野を超えて出会い、相互に学び合う文化を醸成していく必要があるとの認識が共有されました。