リサーチユニット総覧(Research Unit Magazine)

人工光合成から グリーンイノベーションへ
革新的無機有機ハイブリット化合物研究リサーチユニット

小島 隆彦 守橋 健二 市川 淳士 山本 泰彦 石橋 孝章 竹内 正之 熊井 玲児

キーワード: 人工光合成、水の酸化、二酸化炭素還元、グリーン化学

24ooshio01 自然界における光合成は、植物や藻類が光合成色素を介して光エネルギーを化学エネルギーに変換する機能で、大気・水中の二酸化炭素から炭水化物を合成しています。これを環境にやさしい金属錯体を触媒とした人工光合成に置き換え、生成される電子、プロトン(水素イオン)、アルコールをエネルギー資源として利用するグリーンイノベーションには大きな付加価値が生まれます。また、このような知識・経験をもった人材を社会に送り出すことにも大きな意義が
あります。本リサーチユニットでは、人材育成にも力を注いでいます。

 

若い研究者を育てるユニットのポリシー

図1:ユニットのコンセプト

図1:ユニットのコンセプト

 近頃の大型研究プロジェクトは、ともするとすぐ役に立つ応用研究に重きを置いていますが、本ユニットでは20 − 30 年後のための基礎研究こそ必要であると考えています。
 歴史を振り返るとイノベーションは全く異なる発想をもつ専門分野外研究者やフレキシブルで明晰な頭脳をもった若い人たち(若い専門家とは限りません)により達成されています。本ユニットのメンバーは錯体触媒および周辺分野の研究者から構成されています。このような研究集団からは、これまでの概念・常識に捕われない発想による物質開発が期待されます。また、リサーチリーダーは、この研究が学問的に魅力的であり、我々の研究が社会に貢献できることを学生にコンビンスさせ、また研究の自由度をもたせることが重要です。モチベーションとアイデアこそ本研究推進の駆動力になります。数年以内で私たちリサーチユニットが革新的なイノベーションを起こすことができるとは限りませんが、この研究に従事する若い人たちが、今後の日本の化学イノベーションにおいて重要な役割を担うことになると期待しています。(図1)

 

 

 

 

 

 

環境エネルギー問題に立ち向かう研究と人材育成の両立

 光エネルギーを駆動力として、有機化合物の酸化的化学変換、水の酸化、CO2 の還元的固定化及び水素生成を可能(図2)とし、グリーンイノベーションとしての基礎化学及びその方法論を確立しようとしています。例えば、天然の光合成で見られる光合成システムを模倣して、光エネルギーを捕集、水を酸化、電子移動、二酸化炭素の還元を行なう光機能性複合超分子の構築を
目指しています。さらに、学際的な本研究の遂行を通じて、化学における広い視野、深い知識と経験をもつ大学院生の教育、国際的競争に勝てる研究者の育成を目標においています。

図2:錯体触媒による水の酸化と二酸化炭素の還元

図2:錯体触媒による水の酸化と二酸化炭素の還元

 

社会への貢献・実績

● 本リサーチユニットで創られる革新的物質による地球温暖化などの環境問題とエネルギー問題の解決