リサーチユニット総覧(Research Unit Magazine)

粒子加速器と粒子検出器技術を 用いて宇宙の歴史を解明する
KEK連携による国際教育研究拠点リサーチユニット

関場 一彦 石橋 延幸 幅 淳二 村上 洋一

キーワード: 宇宙史、粒子加速器、粒子検出器、宇宙背景ニュートリノ、ヒッグス粒子、クォークグルオンプラズマ

22kimu01 筑波大・KEK(高エネルギー加速器研究機構)連携による国際共同研究によって、宇宙背景ニュートリノ崩壊探索、世界最高エネルギーのLHC 加速器を用いた質量起源の解明とクォークグルオンプラズマ(QGP) の研究、ブラックホール・銀河形成の研究を推進して宇宙・物質の階層と歴史(図1)の解明に貢献しています。また、ナノテクノロジーやグリーンテクノロジ分野における教育研究を推進しています。

図1:宇宙史。横軸が時間軸、縦軸が空間軸で、ビッグバン宇宙の膨張とともに、相が変わっていくことを示す。

図1:宇宙史。横軸が時間軸、縦軸が空間軸で、ビッグバン宇宙の膨張とともに、相が変わっていくことを示す。

 

国際教育研究拠点の形成

図2:宇宙史コンソーシアム。 筑波大学が中核となっ て、国内・海外の研究機 関が連携して宇宙史の統 一的理解を目指した融 合研究を推進している。

図2:宇宙史コンソーシアム。筑波大学が中核となって、国内・海外の研究機関が連携して宇宙史の統一的理解を目指した融合研究を推進している。

 私たちは、宇宙史研究を行うために、欧州CERN 研究所、米国FNAL 研究所、BNL 研究所に海外拠点を置き、学生がそれら拠点で外国人研究者らとの長期共同研究を行う「宇宙史一貫教育プログラム」(H19 〜) を進めてきました。H26 創設の「数理物質融合科学センター」では、宇宙史国際研究拠点と環境エネルギー材料研究拠点が融合し、国際的な南極天文コンソーシアム・宇宙史コンソーシアム(図2)の枠組みを作り、素粒子・原子核・宇宙研究を、ビッグバンから膨張宇宙に至る宇宙史の中で再構築し、暗黒物質・エネルギーの解明、宇宙進化・物質起源の研究を推進しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新型粒子検出器の開発研究

 宇宙史研究のための粒子検出器(下記)をKEK と共同開発しています。
(1)宇宙背景ニュートリノ崩壊を検知する超伝導トンネル接合素子(STJ) 赤外線検出器
(2)ヒッグス粒子研究のためのSOI ピクセル飛跡検出器
(3)クォークグルオンプラズマ研究のためのシリコン電磁カロリメータ検出器・MRPC 飛行時間測定器 TIA-ACCELERATE とも連携

 

社会への貢献・実績

●日本学術会議の策定の第22 期大型研究計画マスタープランに私たちの推進する宇宙背景ニュートリノ崩壊探索、 南極天文台、ALICE 実験、ATLAS 実験、RIBF 実験の5つのプロジェクト(先頭3つは中核機関=筑波大)が採択。
●素粒子原子核分野に限らず物質科学・生命科学分野や医療分野でも重要な加速器科学での人材を育成。