リサーチユニット総覧(Research Unit Magazine)

被災地の教員・保育士のストレス軽減と 望ましいストレスケアの在り方を探求
東日本大震災被災地の教員へのストレスケア・支援リサーチユニット

代表者 : 松井 豊    
他のメンバー : 安藤 智子  岡田 昌毅  大川 一郎  藤 桂  藤生 英行  小玉 正博  石隈 利紀  田中 輝美  
キーワード: 広域災害、教員、保育士、ストレスケア

http://www.human.tsukuba.ac.jp/counseling/teacher/

 

18matsui01 東日本大震災(2011 年3 月11 日)は、4年経ったいまなおその爪痕を深く残し、様々なショック症状に苦しむ人々が、ストレスケアを必要としています。なかでも、被災した子供たちやその家族に対する心身ケアや支援を一手に担ってきた教員・保育士は、自身のストレスケアを二の次三の次にしがちのため、ストレスが残りやすい状況にあります。「東日本大震災被災地の教員へのストレスケア・支援」リサーチユニットでは、「学校・教育」「家族・福祉」「社会・産業」の三領域に専門を持つ教員の研究知見を集積し、被災地の教員や保育士のストレス軽減と望ましいストレスケアの在り方を探求しています。

 

救援者にとって一番大事なストレスケアは誇り

図1:消防職員を対象としたピアサポート研修の様子

図1:消防職員を対象としたピアサポート研修の様子

 災害を直接知る被災者やその救助にあたる消防職員のためのストレス対策は、以前より注目され整備がすすんでいますが、現地の教員・保育士・看護師・被災地の一般公務員など、支援に関わって働く救援者に対するケア対策はほとんどありません。私たちは、救援する側が健全さを持っていれば健全なサポートができる、という理念のもと、救援者向けに講演や個人面談、メールでの問い合わせ返答などを行ってきました(図1)。その結果わかってきたのは、「誇り」というキーワードです。厳しい状況のなかで、頑張ってきた教員や保育士たちの誇りを支えることこそが、最も重要なストレスケアなのだと実感しています。

 

 

 

 

 

ストレスケアを組み込んだ
 災害対策モデルを提案したい

 

 ストレスケアの基本は、自分の体験を自分の人生の中に意味のあるものとして位置付けられるようにすることです。症状が重い場合は、不安を打ち消すようなトレーニングをいくつか組み合わせて行うこともありますが、実際のストレスケアでは、仲間が果たす役割が大きいことを確認してきました。また、あなたたちを覚えていて何かしたいと思っています、とメッセージを出し続けることもとても重要です。
 そこで、本リサーチユニットでは、救援者たちに行われたストレスケアの記録をまとめるとともに、その結果をもとに、望ましいストレスケアの形や、離れた地域の皆さんが支え合うネットワークづくりに挑戦していきたいと思っています。また、ストレスケアを組み込んだ災害対策モデルを自治体や一般企業に提案していきたいです(図2)。

図2:リサーチユニットの体制図

図2:リサーチユニットの体制図

 

 

 

 

 

社会への貢献・実績

● 消防職員や看護管理職員等のピアサポート研修
● 教師、保育士、介護施設職員の震災時のストレスケア調査
  ※上記は、社会技術研究開発センターRISTEX の委託研究