リサーチユニット総覧(Research Unit Magazine)

使いにくさを科学して、使いやすさを追求する!
CUAR-みんラボリサーチユニットScientific Studies for usability and human-artifacts interactions with older adults living in community

代表者:原田 悦子    中核研究者:茂呂 雄二  葛岡 英明  
他のメンバー:藤 桂  

須藤 智 安達 悠子

キーワード:認知的高齢化、使いやすさ、人工物とコミュニティ、人工物デザイン、遠隔支援

 

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現在の日本は急速な高齢化と情報化が並行して進行しています。だれもが新しい情報技術を使って快適に生活できるようにするには、どのような形にするのがよいのでしょうか?この課題に取り組んでいるのが「CUAR-みんラボ」リサーチユニットです。本ユニットでは、地域の高齢者にユーザーの代表として調査研究に参加してもら うことで、「モノ」の使いにくさを総合的に検証しています。これらの研究の積み重ねにより、モノをデザインする時から「使いやすさ」を組み込むことを目指 しています。

 

使いにくさを徹底的に検証する

「モノ」というと実際に手に取れる製品を想像しがちですが、私たちは使うことを目的として人が作ったものすべてを「モノ」と考えています。たとえば、 PASMOやSuicaなどの電子マネーは、?手に取れる「モノ」としてのカードのほかに、?目には見えない「モノ」として法律や社会システム、インフラ 整備が関わっています。この2つの組み合わせが正しくデザインされているとき、私たちは「タッチだけで」買い物ができるのですが、デザインが悪いと使いに くかったり事故がおこったりします。とくに、近年急速に発展してきたICT*1機器*2の使いやすさは、製品のデザインと裏で動いている社会システムの2 つが大きく影響しています。使いやすい形を追求するために、まずは、人が作ったモノの使いにくさを、メンバーのそれぞれの専門領域(認知工学・ユーザ支援 工学・学習心理学など)から総合的に検証しています(図1)。

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高齢者=使いにくいところを上手に取り出してくれるエキスパート

 使いにくさの検証は、学外に設置した「みんなの使いやすさラボ(略称:みんラボ)」を中心に、県南地域にお住まいの高齢者の方に協力していただいておこ なっています(図2)。これは、高齢者特有の事例を調査したい、という理由からではなく、私たちが、高齢者をユーザーの代表として考えているためです。こ れまでの研究から、高齢者がエラーを起こす場面と、若年が戸惑いながら何とか使っている場面は共通ということが明らかになりました。ユニバーサル・デザイ ンという言葉に表されるように、悪いデザインのモノは誰にとっても使いにくいのです。使いにくいところを上手に取り出してくれるエキスパート=高齢者と タッグを組んで研究を進めているところです。

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社会への貢献・実績

● 研究参加者データベースの構築、および登録会員を対象にした、みんラボカフェ等の開催
● 社会全体に広範な広がりを持つ社会の高齢化の問題について、総合
  的かつ科学的にアプローチをする場を設けることにより、社会問題
  を複層的にとらえる研究活動に直接参加する機会をもたらす
● 恒常的な高齢者研究の場(みんラボ)設置による、自由な発想に基づ
  く高齢者研究の促進(図3)

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