リサーチユニット総覧(Research Unit Magazine)

持続的な環境の維持を目指して
地域資源開発技術研究リサーチユニット

代表者:北村 豊    
他のメンバー:野口 良造  小幡谷 英一  楊 英男  吉田 滋樹  
キーワード: 地域資源、地産地消、食料、エネルギー、バイオマス

30kitamura01 いま日本では、低エネルギー社会への移行が強く求められています。私たちの住んでいる地域には、農産物、食品、バイオマス、自然エネルギーなど様々な資源が潜在的に存在しています。本リサーチユニットは、そのような潜在的な資源を持続的かつ高度に利活用する技術を開発し、物流に要するエネルギーの低減をも目的として生産・消費活動を地域で完結させる地域型の第6次産業とも呼ばれる「21世紀型地産地消システム」の確立を目指しています。

 

ライスプリン商品化の成功

図1:ライスミルクとライスプリン

図1:ライスミルクとライスプリン

 本リサーチユニットの目指すモデルのひとつに、2年前に食品製造会社と北村教授の共同研究で商品化した「ライスプリン」があります(図1)。米は、卵や牛乳、小麦に比べてアレルギーを起こす人が少ないことから、米粉の加工食品はアレルゲンの代替食品として近年注目されています。しかし、従来の方法では米を滑らかなミルク状に加工することができないため、加工する機器の開発からライスミルクを利用した食品の試作、パッケージ方法の検討まで大学と企業で行いました。さまざまな食品に加工してみましたが、米特有のもちもちとした食感はプリンにとてもマッチしており、また、おいしいだけでなく常温で長期保存が可能、温めるともちもちの食感が戻るなどのメリットもあり、「大学生まれの食品」としてマスコミでも紹介されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

徳島県と中国吉林省での地域資源開発

図2:徳島大と徳島県庁との打ち合わせ風景

図2:徳島大と徳島県庁との打ち合わせ風景

 もうひとつのモデルとして、本リサーチユニットメンバーが徳島県と中国吉林省とでそれぞれ行っている開発があげられます。
 徳島県のモデルは、地元の民間企業、県と国の農業試験場をまたぐ大きな共同研究で、漢方に使える国産の生薬原料を栽培して健康食品に加工し、それによって中山間農業の振興をめざす複合的な取り組みです(図2)。ここでは、ソーラーパネルを設置することで、生薬の栽培に向いている日陰をつくりながら同時にエネルギーも生産するという発想がキーになっていますが、それも分野の異なる研究者が交わることによる多角的なアプローチの結果であると考えています。北村教授と楊准教授が携わる中国吉林省の共同研究では、農産物の生産から付加価値をつけた販売までを最適化するため、研究大学を含む吉林省の公的機関と民間企業が取り組んでいます。農産廃棄物と副産物の有効利用(例えばバ
イオマス発電など)も考慮した総合的な開発を行うには、やはり分野の異なる専門家による分野横断的な発想が成功の鍵となるでしょう。
 本リサーチユニットはユニット全体としてはまだ研究がスタートしたわけではありませんが、これらのモデルにあるような専門の違う研究メンバーで「21世紀型地産地消システム」を創り出したいと考えています。

 

社会への貢献・実績

● 単行本「おうちで作る生ライスミルクのカフェレシピ」(宝島社)監修:北村 豊
● ムック「太らない体をつくる! スーパーミルク健康法 ─ライスミルク・アーモンドミル・ココナッツミルク」(小学館)監修:北村 豊
● 茨城県稲敷市、TWM マネジメント、常陽銀行の3者と地域創生に向けた事業推進における産官学で、ライスミルクの商品化の連携協定を締結
● テレビ(NHK、フジテレビ、日本テレビ、テレビ東京など)やラジオ(J-WAVE など)に多数出演