注目の研究

木登りカタツムリはなぜ木に登る? ~樹上生活性が進化した適応的意義~

筑波大学芸術系の佐伯いく代准教授(自然遺産分野)、北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの日浦勉教授らの研究グループは、樹上性カタツムリの一種であるサッポロマイマイの生態を調査し、このカタツムリがなぜ木の上という特殊な空間を利用するのかに関する研究を行いました。その結果、林床での冬眠を終えたカタツムリは樹上に移動し、秋になると再び冬眠のため林床に移動すること、樹上の捕食圧は林床よりも低いこと、樹上では林床性のカタツムリとは異なる食物を利用していることなどが判明しました。風通しのよい木の上は、カタツムリの生息にはあまり適していないと一般的には考えられています。しかし本研究から、サッポロマイマイは、捕食者が少ない上に食物に不自由しない樹上という環境にうまく適応進化していることがわかりました。

図  野外操作実験の模式図.サッポロマイマイに糸を付け、自然林内で「樹上」、「地表」、「地表+ザル」の環境に固定。