リサーチユニット総覧(Research Unit Magazine)

望ましい都市のかたち
コンパクトシティリサーチユニット

代表者:谷口 守    中核研究者:石田 東生  
他のメンバー:鈴木 勉  秋山 英三  大澤 義明  岡本 直久  堤 盛人  奥島 真一郎  谷口 綾子  

松橋 啓介 藤井 正 森本章倫 高見淳史 神田 昌幸

キーワード: コンパクトシティ、持続可能性、社会基盤、エクメーネ、土地利用

http://infoshako.sk.tsukuba.ac.jp/~tj330/Labo/taniguchi/ccity/index

 

33taniguchi01 近年、日本の都市計画においてコンパクトシティという概念に注目が集まっています。なぜ今この概念が注目を集めているのでしょうか。都市のコンパクト化にはどのような効果が期待され、どのような課題が存在するのでしょうか。リサーチユニット「コンパクトシティ」は、コンパクト化の具体的方法論の提案や、実現に向けた課題解決を目指し、幅広い専門家が集まったユニットです。

 

都市のかたちを見直す

 戦後の日本の都市の多くは自動車依存型の発展をしてきたと言えるでしょう。すなわち、人口の増大・市街地の郊外への拡大・自家用車利用頻度の増大が並行して進んできたのです。しかし、2007年にピークを迎えた日本の人口は今後急激な減少が予測されており、財政規模の縮小も避けられません。肥大化した市街地全体に都市サービスを提供し続けることは事実上困難だと予想されます。また、環境負荷低減の観点からCO2排出量を削減していくことも必要になります。このような背景から、日本の都市計画は持続可能なコンパクトな都市、コンパクトシティを目指す方向に舵をきりはじめたのです。

 

歴史的転換点に立ち会う

図1:人口密度が高いほど自動車燃料消費量は下がる

図1:人口密度が高いほど自動車燃料消費量は下がる

 しかし、日本においてコンパクトシティという概念が具体的に政策に反映されるまでには長い道のりが必要でした。欧州では1980年代後半からコンパクトシティ政策が実務に反映され始めましたが、日本では2000年以前に中央官庁でそのような議論が行われた形跡すらなかったのです。私たちは中央官庁や学会に対し、データを用いて都市コンパクト化の必要性を示すとともに(図1)、コンパクト化の概念が正しく理解されるための情報発信を行ってきました(図2)。

図2:コンパクト化とは単なる高層化ではなく、自動車燃料消費 量を下げ中心部ににぎわいを生む都市構造を形成すること

図2:コンパクト化とは単なる高層化ではなく、自動車燃料消費量を下げ中心部ににぎわいを生む都市構造を形成すること

大勢の関係者の努力が実を結び、都市コンパク化の重要性は次第に日本国内で認識され始め、政策に反映されてきました。2000年以降いくつかの転換点がありましたが、2014年8月に「都市機能誘導区域」等の制度が施行されたことは、日本の都市コンパクト化を推進するうえで歴史的な転換点になるでしょう(図3)。
 しかし、現実に人が暮らしている地域で都市をコンパクト化していくためには、まだまだ越えなければならない課題が存在します。私たちは、引き続きこれらの課題を明確にし、乗り越えていくための方法論を提示することに取組んでいきます。

図3:日本におけるコンパクトシティ政策の流れ

図3:日本におけるコンパクトシティ政策の流れ

 

 

 

社会への貢献・実績

● 政府や地方自治体のコンパクトシティ政策への提言、参画
● 実際の社会動向を踏まえた実践的大学院教育