筑波大学URA研究戦略推進室

2023.07.12

研究者のウェルビーイングを考える①

筑波大学のURA(リサーチ・アドミニストレーター)は、研究者が研究に専念できる環境や仕組みづくりを担い、研究者のパフォーマンス最大化および大学の研究力向上に貢献する専門職です。──これは筑波大学URA研究戦略推進室ウェブサイトに書き記したものです。

これまで筑波大学URA研究戦略推進室では、研究者の研究時間調査や研究環境アンケートを行い、どんなことが研究者の研究時間確保を阻害しているか、研究と教育以外のどのような業務にどれくらい教員が従事しているかなどを調査・分析し、それらのデータをもとに研究者をエンパワーメントする取り組みを企画・実施し、また大学内外に向けて発信してきました。しかし、振り返ってみると、資金がない、時間がないなど研究者にとってマイナスになっているところを「補う」策を実行しようと困難に立ち向かってきたように思います。
大学の研究力強化を考えるとき、若手研究者が研究を推進するための資金や人材を整備することはもちろん大事ですが、それと同じくらい、研究に対するモチベーションが研究者のパフォーマンス最大化には必要です。しかし、いま、そのモチベーションさえも危ぶまれていると実感しています。
ポストコロナ時代、ますます働き方の多様化と幸せに向けて思い切った選択をする企業や個人が増えてきました。大学等研究機関に所属する研究者も同様、幸せな研究生活に向けてシフトチェンジする機運だと感じています。

筑波大学のURAが茨城大学、お茶の水女子大学と国立研究機関と共同で推進する「大学×国研×企業連携によるトップランナー育成プログラム※」では若手研究者が世界で活躍できるトップランナーになるために、マネジメント力や俯瞰力を身に付け、専門深化力をさらに向上することを支援しています。そして、若手研究者が研究パフォーマンスを発揮できる環境整備として、若手研究者の研究時間を減らしている要因の洗い出しやシステムデザイン提案を行っています。
その一環として、2023年1月に「研究者ウェルビーイングを考えるワークショップ」を実施しました。
この取り組みは、参加者が「幸せな研究者ライフ」を送れるようになること目指し、研究者の理想の一日を議論しながらモチベーションを上げるファクターを明らかにし、そして、支援サイドがここでの意見を今後の取り組みに活かしていくことを目的に据えました。

参加研究者数:21人(4グループ)
【プログラム】
ワーク1 研究を進める原動力とは?
ワーク2 理想の一日を描いてみる
ワーク3 理想の働き方に近づくには?

●ワーク1 研究を進める原動力とは?

自分自身の知的好奇心のほか、関係のあるさまざまな人(同じ分野の研究者・別の分野の研究者、組織、家族)からの評価、成果(発見、発表、学生の育成など)にやりがいを感じていることがわかります。

●ワーク2 理想の一日を描いてみる 
研究者として理想的な1日のタイムスケジュールを描くワーク。大半の研究者が、家族との時間や運動、趣味の時間がとれるなど、プライベートの時間を充実させたいと考えています。

研究者のウェルビーイングを考える②につづく
 
■開催案内
 「研究者ウェルビーイングを考えるシンポジウム」@筑波会議 
9月26日(火)-28日(木)に開催される「筑波会議」は、世界から優秀な若手を中心とする人材が集まり「社会と科学技術」の諸課題について議論し、ネットワークを形成する国際会議です。
私たちがオーガナイズする「研究者ウェルビーイングを考えるシンポジウム」では、日本の研究の現場や自分たちを取り巻く社会においていかにクリエイティブでありつづけるか、多様な背景の研究者とともに、パフォーマンスを発揮できるウェルビーイングな環境や心の在り方について考えます。オンラインでの配信も検討中です。興味がある方はぜひ参加してみてください。

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