私は、人文社会系のURAとして、学際的な研究推進、国際共同研究の推進や人文社会系の研究成果の国際発信に力を入れたいと思います。
これまでどのような道を歩んできましたか?
- 日本への留学、そして研究者へ
- 母国中国での大学時代に日本の金沢大学へ交換留学したことをきっかけに、大学卒業後、名古屋大学の大学院に進学しました。名古屋大学では教育学の分野で社会教育と生涯学習を専攻し、高齢化社会の中で、地域社会で行われている高齢者の学習活動について研究をし、教育学の修士号及び博士号を獲得しました。博士前期課程と後期課程では、自分の専攻以外に文部科学省リーディング大学院プログラム「Wellbeing in Asia Women Leaders Program」の奨学生として選ばれました。プログラムを通じて、他研究科の大学院生とともにプロジェクトを立案し、インドネシアやタイでフィールド調査を行い、現地のジェンダー事情について調べました。また、アメリカの国連本部とその関連機構に訪問する機会もあり、多様な背景を持つ人たちが、どのような仕組みで世界で起きている様々な課題に取り組んでいるか話を聞くことができました。
私の分野では、3年で博士号を取ることが難しいため、博士後期課程の4年目からは博士論文を執筆しながら、北海道大学の「新渡戸カレッジ」という分野横断の特別教育プログラムで特任助教を務めていました。4年間の任期中には、異なる分野・国籍の学生を対象に授業を行い、他分野の研究者と協力して仕事を行うことが多くありました。研究活動に関しては、個人研究のほか、異分野の研究者と共同研究を行う経験を持ちました。国際学会にも積極的に参加し、執行委員等を務めました。
大学の研究ポジションが限られている中、研究者の経験が活かせるURAという専門職の存在を知りました。研究者としての知識と経験を活かして人文社会系の学際的国際的な研究の推進に少しでも貢献できたらと思い、人文社会系のURAを志しました。
仕事をする上で大切にしていることは何ですか?
- ロジカルな思考で、仕事を効率よく進めることを大切にしています
- その上で、URAの仕事では、個々の研究者の要望に応えられるような支援をすることを心掛けています
今後の目標や展望を教えてください。
- 学際的な研究推進、国際共同研究の推進や人文社会系の研究成果の国際発信に力を入れたい
- 今までの研究と仕事職務経験のなかで、自分の専門分野以外の研究者、特に普段ほとんど接点のない自然科学分野の研究者と交流する機会があり、自然科学分野では人文社会分野とまったく異なるシステムで研究が行われていることを知りました。また、ある特定の社会問題を解決する際には、異なる分野からのアプローチが必要とされ、研究を行う際にも、異なる分野の研究者と交流することがとても重要だと気付きかされました。海外の研究者と共に仕事をする際に、私のが専攻であるしている教育学分野も含め、日本の人文社会系の研究は日本国内で閉じられており、海外への発信には更なる工夫が必要であると痛感しています。筑波大学では、人文社会系のURAとして、学際的な研究推進、国際共同研究の推進や人文社会系の研究成果の国際発信に力を入れたいと思います。