筑波大学URA研究戦略推進室

魅力的な学問や研究成果を輩出する土壌、環境を皆と一緒に築こう

伊藤 祥遊ITO, Shoyu

人工知能科学センター

社会や、ビジネス活動では、ことの優劣を品質・コスト・デリバリ(QCD)をもって評価することが多いです。大学の活動も例外ではなく、この指標を鏡として、見比べることができるでしょう。 ・教員、研究者達の求めているイノベーション(Q) ・職員のマネジメント・管理している費用と期限(CD)、 (教員、研究者達、また職員は)それぞれ自分の担当分野で先頭に立って、最適なプロセスを極めていると感じています。 そこで、URAの大きな役目の一つは、(教育・ベンチャー創出も含め)大学活動の総合的、最高なQCDパフォーマンスを出すことであると考えています。

これまでどのような道を歩んできましたか?

製品のライフサイクルにおいて研究・開発、製造・拡販、メンテナンス・終息を通じて、点から面、プロセス重視からパーパス中心に考えるような価値観を形成し、朦朧とした人生の道を歩んできました。
Ø 中国科学院の大学院前期課程修了後に、当時最先端の高密度記録媒体、光磁気ディスク研究に携わり始めた。

Ø この研究を加速するために、日本名古屋大学の客員研究員として来日、基礎的な研究を行った。一年後、そのまま、名古屋大学大学院後期課程に入り、系統的に光磁気理論を勉強し、記録媒体として応用研究を行った。卒業後、そのまま大学の助手として研究と学生指導を行った。

Ø 光磁気ディスク・磁気ディスクの基礎研究の先に何があるかを探求するために、富士通研究所に転職し、そこから、ディスク実用化のために、製品の研究開発、工場の量産、OEM(一部ODM)という委託生産、マーケティング、販売、メンテナンス、最後に製品そのものの終息までの一連プロセスを数年に渡って経験した。製品も人生のようにライフサイクルがあるとよく理解できた。

Ø この経験を生かして、社内における(フィールドイノベーションという)コンサルティングを約三年間従事した。生産の効率化、事務の合理化、人の意識改革、経営戦略などを諮った。

Ø コンサルティング手法の有効性が社内に認識され、ハードウエアと違う領域のヘルスケアソリューション事業本部の新規海外ビジネスに配置された。システム分野に従事したことによって、肝心な知財活用術を学んで、どのように最大限に権利を行使できるかを実践しながら活用できた。海外のパートナー、または顧客にも信頼され、Win-Win環境を構築した。

Ø 一段落した気分であるが、初心の大学教育・研究成果を社会に反映させたいという気持ちが沸いて、筑波大学のURA職に転身した。

仕事をする上で大切にしていることは何ですか?

ロジックなシンキングと目的志向
先(ビジョン)を見つめ、過程(プロセス)を固め、今(ステータスクオ)を起点にして楽しく、粘り強く邁進していくことです。

今後の目標や展望を教えてください。

活動の最高QCDパフォーマンスを出すこと
人工知能科学センターは、AI技術とグルーバルな視点で、不断のイノベーションを起こし、社会課題解決の先頭に立ち、ベンチャー輩出環境が整備されることを目標としています。

そのため、モノ、カネ、ヒトに注目し、以下の点にフォーカスします。

① 当センターのコア技術をもっと世間に知ってもらう また、磁石のように産業界、海外関係者を引き寄せるハブになる

② 国内企業のみならず、海外ファンドからも資金獲得ができるようになる

③ また基礎的な研究から将来産業の心臓部である基幹知財(特許など)を形成させ、知財の権利化プロセスをサポートする。

④ 知財を元に、国際連携を促進する。

⑤ 更にコア技術の製品化、商業化する過程をサポートすることでベンチャー起業家の輩出を後押しする

以上のように、日々の業務をこなしながら、世界で活躍できる研究者をサポートし、貢献したいと考えています。

KEYWORDSURAをもっと知る

  • 座右の銘

    勝ちを千里の外に決し、籌を帷幄に運らす

    URAの役割は重要であると再認識した

  • 出身地

    上海

  • 趣味

    ジョギング

    土日は一万歩以上歩いている

  • 好きな映画

    となりのトトロ

    未知の世界を探求する子ども時代の好奇心は懐かしく、ずっと夢の中にいたい

  • 好きな食べ物

    刺身を中心とした和食

    自然食材の味をそのまま味わいたい

  • 今までで一番感動したこと

    初めて日本に来た時に、先進的な資本主義でありながら、日本の社会雰囲気には東洋思想、(儒教、道教等の)作法が漂っていることに感動しました。

    小さいごろから世間と違う価値観を訓え付けられた親に対して違和感と不満の気持ちを、日本に着いた時から、礼儀正しさ・「以和為貴」などを感じ、感謝の気持ちに変わったのです。