ハロー先端科学(大学新聞)

リアルタイムでCG映像作成 東京五輪までの実用化目指す

代表者 : 大田 友一  

 大田友一副学長(知能情報学)らのグループは、大規模なスタジアムで行われるサッカーなどの試合をグランドや上空、観客席などあらゆる位置からリアルタイムで見ることができるコンピュー
ターグラフィックス(CG)=※=映像の開発に成功した。世界初の技術で、例えばスマホを扱うように画面をタッチ・スライドさせれば、さまざまな場所からのCG映像を得られる。2020年
の東京五輪開催までにテレビ中継などでの実用化が期待される。
 今回開発された技術は、数万人の観客を収容する大規模なスタジアムで、試合を10台程度のカメラで様々な方向から撮影。これらの映像をコンピューター上で特殊な方法で加工し、リアルタイ
ムで現実に近い映像を作り出す。これまで大規模なスタジアムでは、映像の情報量が多く、コンピューターでのCG映像作成に時間がかかるため、リアルタイムで見ることはできなかった。
 大田副学長らによると、今後この技術を使った映像を提供できるテレビの開発が期待されるほか、サッカーなどのフォーメーションの研究、試合の戦略分析などへの応用なども考えられるという。
 また同グループはスマホのようなタッチ・スライド方式で視点を変えるのではなく、テレビなどの画面にセンサーを取り付け、その前で足踏みをしたり、体をひねることなどで視点を前後左右自
由に変えることができる技術も研究中だ。これが実現すれば、例えばプレー中のサッカー選手になったつもりで試合を見ることもできそうだ。

 筑波大の総合交流会館には、改築前の国立競技場を舞台に、このような映像を観察できる装置があり、誰でも自由に使うことができる。

 大田副学長が現在の研究分野に足を踏み入れたのは1992年。当時黎明期だった研究は今では実用化のめどがたった。「2020年までに実用化を目指し、人の生活をより豊かにしたい」。そ
んな大田副学長らの思いが現実になる日も近いだろう。(鈴木拓也=人文学類3年、写真も)
 ※コンピューターグラ
フィックス(CG)=コンピューターを使用して作成された画像・動画、その作成技術。映画やアニメなどに活用することで、現実感ある映像が得られる。