注目の研究

1/10の撮影枚数で三次元電子線断層撮影を実現 ~世界初、圧縮センシング法による画像再構成ソフトウェアを製品化~

代表者 : 工藤 博幸  

2014/10/14 

筑波大学(以下、筑波大学)、九州大学(以下、九州大学)、株式会社システムインフロンティアは、JST先端計測分析技術・機器開発プログラムの一環として、世界に先駆け、圧縮センシング(CS, Compressed Sensing)法による画像再構成アルゴリズムを搭載した電子線CT(Computed Tomography、断層撮影)用ソフトウェアを製品化しました。このソフトウェアにより、三次元再構成に必要な撮影枚数を従来の1/10から1/20程度に減らすことが可能となり、撮影時間の短縮のみならず、電子線CT観察のネックとなっていた、電子線照射による試料の損傷や汚れの誘起といった問題の解決が期待されます。

このソフトウェアは、画像収録に使われた電子顕微鏡のメーカーを問わず対応が可能です。2014年11月1日より試用版の提供および既存ユーザーに対する無償アップグレードを開始します。

*本研究は、JST先端計測分析技術・機器開発プログラムの一環として実施されました。

 

 

図 FePtナノ粒子の透過型電子顕微鏡による像(a)および従来手法(b, c)と新手法(d)で再構成した三次元画像

透過型電子顕微鏡(二次元)で観察したFePtナノ粒子(a)の黄色枠部分を、電子線CTで撮影したもの(b, c, d)。従来手法で良好な分解能を得るためには130枚の撮影が必要だったが(b)、本研究で開発した新手法を用いると13枚の撮影で同等の分解能が得られる(d)。