注目の研究

小麦に対するアレルギーへのなりやすさ・なりにくさに関わる遺伝子を特定

代表者 : 野口 惠美子  

筑波大学医学医療系の野口恵美子教授、藤田医科大学の松永佳世子教授、矢上晶子教授、理化学研究所の秋山雅人リサーチアソシエイト(研究当時)、玉利真由美チームリーダー(研究当時)、国立成育医療研究センター研究所の斎藤博久所長補佐らの国内多施設共同研究によるグループは、経皮感作小麦アレルギーと関連する遺伝要素の解明を試み、その同定に成功しました。

小麦は化粧品などの直接肌に触れる成分にも含まれ、皮膚から入ってアレルギーを起こす症例があることが知られています。本研究では、経皮感作小麦アレルギー患者の全ゲノム関連解析を行い、病気のなりやすさ、なりにくさに関わる遺伝子がHLA- DQ領域とRBFOX1領域に存在することを見出し、発症に関連するHLA-DQアレル型を同定しました。小麦アレルギーに対して全ゲノム関連解析を応用した研究としては、初めての成果です。

図 本研究のフローチャート
経皮感作小麦アレルギーの全ゲノム関連解析によりHLA-DQ領域とRBFOX1領域に関連を示す領域を同定し、HLA領域についてはなりやすいHLA型としてHLA*DQB1*03:02とDQB1*03:03、なりにくいHLA型としてHLA*DQB1*06:01とDQB1*03:01をそれぞれ同定しました。