注目の研究

アスタキサンチン摂取は軽運動による海馬機能向上効果をさらに増強する

2019/05/14 

筑波大学 体育系 征矢英昭教授、陸 暲洙研究員らの研究グループは、米国ロックフェラー大学ならびに国立研究開発法人産業技術総合研究所との共同研究により、アスタキサンチン(Astaxanthin, AX)と低強度運動(ME)との併用が海馬記憶能を相乗的に高めること、さらにその分子機構として海馬内のレプチン(Leptin, LEP)の関与を明らかにしました。

運動と機能性成分摂取の併用による有用性はこれまでにいくつかの報告がなされてきたものの、その効果の程度やメカニズムにまで踏み込んだ研究は進展していませんでした。本研究グループは、エビやカニなどに含まれるカロテノイドで強い抗酸化作用をもつ天然色素AXに着目し、マウスに4週間に渡ってMEを実施させながらAXを食餌に混ぜて摂取させることで、成体海馬神経新生と空間記憶能が相乗的に高まることを明らかにしました。さらに、この相乗効果を担う分子機構を解明するため、DNAマイクロアレイおよびバイオインフォマティクス解析を用いて海馬内遺伝子発現を網羅的に検討したところ、神経栄養効果を持つLEPの遺伝子が関与していることが明らかとなりました。LEPを欠損する遺伝性肥満マウス(ob/obマウス)と脳内へのLEP投与実験から、脂肪細胞由来ではなく、脳由来のLEPがこのような相乗効果の発現に貢献することを実証しました。