イベント

第50回人間系コロキアム(2019.2.13)

代表者 : 登藤 直弥  

項目反応理論に基づく適応型テストと項目選択アルゴリズム

2019年
2月13日( 水)
1 2 : 1 5 ~ 1 3 : 1 5

講師:登藤 直弥
筑波大学人間系心理学域助教

 近年では,我が国においても,テストや質問紙といった尺度の作成にあたり,項目反応理論 (Item Response Theory, IRT)が利用されるようになってきた。IRTにおいては,いわゆる尺度得点ではなく,個々の問題(項目)への回答(反応)に対して数理モデルを仮定し尺度の評価・作成・運用を行うことになるのだが,このIRTを用いることで可能になるテスト形式の一つに適応型テストと呼ばれるものがある。適応型テストとは,受験者の解答に合わせて次に出題する問題を変更するテストのことであり,一般に,従来のテストに比べて受験者の能力推定の精度が向上するため,テストの実施時間を短く設定することが可能であり,受験者と実施者双方の負担軽減につながる等の利点が存在する。
 本講演では,この項目反応理論に基づく適応型テストについて,その基礎的なところから解説を行う。その上で,適応型テストにおける項目選択アルゴリズムに関して,発表者が行った研究の内容を紹介する。