注目の研究

アルコール過剰摂取は怪我の元 ~大学生の飲酒教育、もう1つの必要性~

筑波大学 医学医療系 吉本尚講師らの研究グループは、3大学の学生を対象とした調査により、短時間での多量飲酒(ビンジ飲酒)を年1回以上経験している学生は、そうではない学生と比べて過去1年間のアルコール関連外傷の経験が25.6倍となることを多施設横断研究によって明らかにしました。これは、アメリカやノルウェー、スペインの先行研究で報告されている、月1回以上のビンジ飲酒などの短時間での多量飲酒を行っている学生のアルコール関連外傷は3.9-8.9倍増加という数値と比べると、先行研究よりも少ない頻度(年1回以上)にもかかわらずきわめて高い値です。

ビンジ飲酒の知識は日本ではまだまだ普及しておらず、今後、普及・啓発を行っていく必要があります。大学ではアルコールの摂取に関する指導が新入生オリエンテーションなどで行われていますが、未成年飲酒や急性アルコール中毒の教育のみでなく、ビンジ飲酒の教育も行っていく必要があると考えられました。

「アルコール健康障害対策基本法推進ネットワーク」が作成した説明図。ビンジ飲酒を行っている大学生はほとんどの場合依存症ではありませんが、本研究で明らかとなった外傷のように、健康を害する可能性があるハイリスクな飲み方(図の黄色部分)に当たります。リスクの低い飲酒(図の青色部分)になるよう、適切な介入をすることが必要となります。