JST news:科学技術振興機構(JST)

メキシコから日本へ!植物遺伝資源の分譲第1号を筑波大学が取得(JST news 2017.5月号)

地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)
研究領域「生物資源領域」
研究課題「メキシコ遺伝資源の多様性評価と持続的利用の基盤構築」

メキシコから日本へ!植物遺伝資源の分譲第1号を筑波大学が取得

筑波大学生命環境系遺伝子実験センターの渡邉和男教授らは、メキシコから日本への植物遺伝資源であるハヤトウリの分譲承認を取得することに成功
しました。これによりメキシコ政府から正式にハヤトウリ遺伝資源*を日本へ持ち込むこととなり、名古屋議定書に基づくメキシコから日本への分譲承認の第1号となります。
 今後、分譲されたハヤトウリ遺伝資源を用い、長期保存法の開発や栽培形質の評価、将来の新品種育成に向けた学術研究、機能性成分の研究などを行う予定です。また、将来的には本研究成果をメキシコ農村社会のみならず、アジア圏にも還元することをめざしています。
1993年に発効した生物多様性条約では、遺伝資源は保有国に主権的権利があるとされ、遺伝資源利用による利益を提供者と利用者が公正かつ衡平に配分するよう規定されました。同条約名古屋議定書では遺伝資源の取得の機会を与える条件として、遺伝資源を保有する締約国の事前の情報に基づく同意(PIC)や遺伝資源の提供者と利用者との間で相互に合意する条件(MAT)を設定することなどが必要であると定められています。
 名古屋議定書締約国の多くでは、このような分譲手続きの具体的整備や事例蓄積が進んでおらず、渡邉教授は「遺伝資源の国際共有を伴う学術研究に弾みがつくと同時に、さまざまな遺伝資源を活用した事業化や地域振興につながることを期待しています」と遺伝資源の正式な分譲手続きの事例を提供できたと手応えを感じていました。