筑波大学OCW

【女性研究者が探るデータの未来】ビッグデータで加速する、社会経済物理学

ビッグデータで加速する、社会経済物理学

社会経済物理学とは、人間の集団から生まれる社会、経済、文化、政治的な現象の中に自然法則を見つけ出し、数理モデルを組み上げ理解するという分野だ。
人間ひとりひとりには意思があり、それぞれが思い思いに行動している。だが集団になるとブームやパニックによって一斉に同じような行動をしてしまうことがある。ならば、人間集団を「相互作用の強弱が切り替わる粒子の集まり」として捉えることで、社会の動きも物理法則として記述する事ができるはずだ。
社会経済物理学は、統計物理学から派生した研究分野のひとつとして位置づけられる。
物質ではない事象を物理学的アプローチで研究する分野を横断した取り組みは「Interdisciplinary physics」と呼ばれ、近年急速に発展している。その背景にはビッグデータ時代の到来が大きく影響しているようだ。様々な事象の膨大な実測データを取得し解析できるようになったため、多くの分野で物理学的アプローチでの理論モデルを検証する事が可能になったのだ。
社会経済物理学の基本的な研究のアプローチは4段階に分かれ、統計物理学の基本的なアプローチと同じだ
【データ解析】:検索エンジンを使い、ブログに含まれる特定の単語の出現頻度を時系列に収集し解析する
【法則性発見】:解析したデータから法則性や数理的パターンを見つけ出す
【理論モデル】:見つけ出した法則性を再現する数理モデルを構築する
【応用】:数理モデルによって特定の単語の出現頻度を予測。実測データと比較し実証する