注目の研究

抵抗変化型メモリの書き換えばらつき抑制を実現

 

筑波大学数理物質系の大毛利健治准教授(研究当時。現株式会社デバイスラボ代表取締役)らのグループは、パナソニックセミコンダクターソリューションズ株式会社と共同で、高速かつ低消費電力の次世代メモリである不揮発性抵抗変化型メモリにおいて、書き換え時にばらつきが生じる現象のモデルを提案し、それに基づいて書き換えばらつきの抑制を実証しました。

本研究では、フィラメントの自発的なリフレッシュ現象のメカニズム考察を行い、それに基づいて、ばらつきが大きくなる前に人為的にリフレッシュを導入することにより、ばらつきの抑制に成功しました。また、低周波雑音分光という手法を用いて、ReRAM素子中の活性化エネルギー準位分布を初めて明らかにしました。これにより、今後、ばらつき要因のさらなる解明やアナログ動作の精密制御等の進展が期待されます。

フィラメントリフレッシュの模式図(LRS)。(左)増大したフィラメント領域では膜厚方向の電界が効果的に印加されないため、酸素欠損の占有率が低下し、サイクル毎にばらつきが増大してしまう。(右)負の電圧を印加することで、増大したフィラメント領域の酸素イオンを下部へ追いやり、酸素欠損の占有率を大きくした上で、正の電圧を印加することで、効果的な酸素イオンによる欠損充填を可能にする。