注目の研究

筋肉収縮の制御タンパク質トロポニンがウニ幼生の筋肉に発現・機能していることを解明

筑波大学生命環境系の谷口俊介准教授と日本学術振興会特別研究員(RPD)の谷口順子は、北海道大学大学院水産科学研究院の田中啓之助教と共同で、筋肉収縮の制御タンパク質であるトロポニンIがウニ幼生の筋肉に発現していることを明らかにしました。

トロポニン(トロポニンI、トロポニンC、トロポニンTからなる複合体)は、脊椎動物の横紋筋収縮制御因子として数多くの研究者に解析されてきましたが、脊椎動物を含む脊索動物と系統進化的に近縁である棘皮動物においては、これまでトロポニンの存在が否定されてきました。今回、ゲノム情報を比較解析することで、ウニにもトロポニンIが存在している可能性を導きだし、実験的にバフンウニの幼生期にトロポニンIのmRNAとタンパク質がその筋肉組織に発現していることを明らかにしました。さらに、トロポニンIがウニ幼生の嚥下(えんげ)行動を担う食道および噴門括約筋の収縮制御に関与していることを明らかにしました。

ウニ幼生のトロポニンIは、食道筋肉を構成する平滑筋でも、噴門括約筋を構成する横紋筋でも制御機構を担っていることが明らかになりました。トロポニンは、横紋筋収縮制御因子として広く解析されてきましたが、近年は、脊椎動物の平滑筋からも検出され始めています。それについての詳細な機能解析を進める上でのヒントを、ウニ研究から提供できる可能性が本研究により示されました。